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シカゴのファースト・ナショナル銀行のドナルド・R・ホリスは二〇年後、支払いシステムについての会議で、その時のことをこう語った。
「幸いなことに連銀は、二つの理由で、それを拒否した。
そうすることが適当かどうか確信がない。
というのと、地域に小切手処理センターを開設するので手一杯だというんだ。
当然、カード発行銀行はトランケイションを初期のマーチャント・プロセシング・バンクで行わせ、連銀の小切手システムを効率で凌駕した。
自由企業制度を与えてくれた我が幸運の星に感謝!」七〇年代中期以降、クレジットカード・システムでは、商店の伝票の写しをその取引銀行に残し、消費者にカードを発行した銀行の債権を電子的に送付するものになった。
VやMカードは電子クリアリング・ハウスを運営し、取引先商店の売上額とカード所有者の購入額を銀行にそれぞれ貸方記入、借方記入した。
現在は、伝票は商店のレジのところに留め置かれる。
その伝票を商店は自分のところに保管し、銀行は取引を電子的にしかも直後に知る。
クレジット・カード産業にとってはスピードこそが神髄だ。
取り立て過程にある銀行小切手は、それをシステムに乗せた銀行にとっては一つの資産だが、最後に支払いをする銀行にとっては、まだ債務になっていない。
そこからフロート(浮き金)、つまりシステム上の余剰金が生まれた。
だがクレジットカードの伝票は、それを提示した瞬間から、商店に対する債権(銀行にとっては負債)を発生させる。
それは、偽造カードの発見を素早くするために、販売のできるだけ直後でなければならなかった。
また、支払う側(普通は利息が付く。
ほとんどの人はクレジットカードの支払いを期限が過ぎてからするからだ)の銀行の帳簿上は、クレジットカード会社の運営する電子クリアリング・ハウスである「インターチェンジ」から請求が来るまで、ローンにはならなかった。
このように、通常の銀行システムによる、取引の終了を遅らせようとする力は、クレジットカードの世界では素早い支払いを促す力に変形させられたのである。
その環境の中で、エレクトロニクスが花開いた。
シテイコープ・クレジット・サービス社は、全米の二〇〇〇万人のカード所有者の勘定を取り扱い、中でもシティバンク関係の取り扱い高は三五〇億ドル近くになる。
その作業は三つの非常によく似た、二階建てのちぐはぐな赤レンガ色の建物で行われる。
メリーランド州ハガーズタウン、ノース・ダコタ州ファーゴ、それにネパダ州リノ。
配線は床下にあり、壁はすべて間に合わせである。
三つの基地は光ケーブルで接続されていて、シテイコープの専用衛星が旧い接続回線(こちらは遅すぎる)に取って替わっている。
ファーゴの基地だけが真夜中から東部時間の朝六時まで作業している。
そうでなければ、三つ全部が常に同時稼働状態になってしまう。
一日の大半、七〇〇人ほどのオペレーターが勤務していて、五フィートほどの高さの壁に固まれ、一面だけが開放されている小部屋で椅子に座り、コンピューターの画面を見つめたり、話をしたり、ボタンを押したりしていヲ。
私がハガーズタウンにいた二月のある朝、コントロールセンターのマルチカラーのスクリーンは三〇分間で八〇一人件の電話を予測しており、一件の電話の待ち時間は平均で五秒、電話の平均の長さ(「処理時間」)は平均一三九秒と報告していた。
電話はどこからでもかかって来る。
ハガーズタウンが全員、手一杯の時は、自動電話区分け機がほかの二つのセンターのどちらかの、手の空いているオペレーターに客を回す。
オペレーターは一日約二〇万件の電話をさばくことになる。
オペレーターの、すべてではないがほとんどは女性である。
各センターには、オペレーターの子供二五〇人から三〇〇人の世話をするデイケア・センターが付属している。
建物の小さな、四角いロビーには農場の農家を描いた絵と、「満足。
それは達成の喜びと創造的な努力のスリルの中に存在する」と書かれた垂れ幕がかかっている。
だが中の雰囲気は和気あいあいだ。
誕生日には、「私の年なんか聞いたら承知しないよ」と書いたカードがディスプレーに現れる。
ハロウィーンの日、仕事場は「幽霊域」と化す。
あるコンピューターの傍らには、こう書かれであった、「私にさばけないものはない。
子供が何人もいるんだから」。
シテイコープは一九八四年から、客への請求書の画像化を活用してきた。
オペレーターは、客の最新の請求書と、その請求書が送られた後に客の口座に発生した、請求やクレジットの記録、それに(二分された画面の右側に)客からの手紙や、客が電話してきた用件に関する、もろもろの文書を画面に映し出す。
客には、支払い請求に対して抗議できる期聞が六〇日ある。
シテイコープは方針として、不服を言ってきた客にはその場で一時的に信用貸しを行い(消費者の「権利擁護」のためと宣伝されている。
非合理的というわけでもないて自動的に電子メッセージをVかMカードに送り、客が署名した白い伝票を現在持っている販売業者から、確認をとるように要請する。
伝票の管理能力は販売業者によって大差がある。
メーシーズが倒産寸前の時のことだ、客から抗議のあった案件のうち、メーシーズが伝票を発見できずに返金せざるを得なかったものが何と四〇%にもなった(シティバンクはメーシーズの主取引銀行であり、販売が文書で証明されない場合、客の銀行に代金を返す責任がある)。
電話の中にはオペレーターが、指示の外は何も書かれていない画面に従って書けるものもある。
客に、代金がまだ未払いですと知らせたり、あるいはごく最近の請求について、客がそのカードで同じ日にボストンとサンフランシスコで何か買い物をしたかどうか、問い合わせる場合もある。
注意しておくが、これはすべて例外的な案件である。
普通の取引は、キーボードも人間の手も触れることなく、販売業者のレジからマーチャント・バンク(クレジットカード処理銀行)に流れて行く(現在では、サードパーティーのサービス・プロパイダーのところに行くのが最も多い。
航空会社や家具店、通信販売業者など、買った物が手に届く前に破産しかねない業者の金を受け入れてしまうのは、あまりにリスクが高いと銀行は判断したのである)。
マーチャント・バンクからインターチェンジに向かい(シテイコープがマーチャント・ビジネスをしていた時は、シテイコープのカード所有者からシテイコープと取引している販売業者への「身内の」支払いは、コンピューター必死リアリングで仕分けられ、内部で処理されていたてそこで交換され、清算されたお金は二時間ごとに、代理銀行またはFedワイヤを通じて移動する。
シテイコープは、ハガーズタウン、ファーゴ、それにリノで処理する。
Vはインターチェンジを通さず、イギリスのベイシングストーク、シンガポール、それにバージニアのマクリーンにある処理センターを使うーーどれも、Vカードを使った外国での支払いの全部を、どんな日でもそこだけで処理できるように作られたシステムである。
マクリーンのコンピューター施設は床面積が六万平方フィートあり、二〇〇万マイルの長さの銅線が、クレジットカードによる取引だけのために、そのピルの中に収まっている。
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